前十字靭帯断裂(脛骨高平部水平化骨切り術…TPLO)
現在、前十字靭帯断裂によって起こる膝関節の不安定性を治癒することを目的とした手術方法が数多く考案されており、たくさんの症例数をもとに数多くの比較・検討がされています。そして、どの術式においても様々な面における長所・短所が報告されています。
以前に紹介させていただいた前十字靭帯を置換する方法である関節外法などは比較的安価に行える反面、長期間における膝関節の安定性を得ることや術後の関節炎の進行や半月板損傷を避けることが難しいとの報告もあります。一方、脛骨高平部水平化骨切り術(TPLO)はプレート等の材料費が必要になってしまいますが前十字靭帯を置換することなく、力学的に膝関節の安定性を保つことにより関節内の変化を最小限に抑えることで術後に活発な運動ができるようになるまでの期間が短く、関節炎も抑えることができます。
当院においても関節外法で手術を行った症例は平均2~3ヶ月で元の歩様に戻るのに対し、TPLOを行った症例で回復の早い場合には1~2週間で元の歩様に戻っています。
症例の体格や運動能力などにより術式を選択する必要がありますので膝の手術でお悩みの場合にはご相談下さい。