消化管内異物
犬・猫の生活において飼い主様が当惑される問題の一つに異物の誤食が挙げられます。
おもちゃで遊んでいてそのまま飲み込んでしまう場合や飼い主様が目を離したスキにジャーキーや骨を丸呑みしてしまう場合などが多いと思います。
消化管は口腔から順に食道、胃、小腸、大腸を経て肛門に至りますが、異物が何なのか、どこにあるのかで適切な処置は変わってきます。
食べた異物が消化できないものや毒性のあるもの、もしくは消化管を肛門まで無事に通過できないようなものの場合には動物に食欲不振や元気消失、嘔吐、下痢などの症状が認められ、消化管閉塞を起こすと症状が一気に悪化し、消化管壊死や腹膜炎を起こし最悪の場合、死に至ります。そのため異物がどこに存在するのかを単純レントゲン検査、造影レントゲン検査、超音波検査などで確認し、食べてしまったものと量によっては早期に異物を除去するために催吐処置や内視鏡、外科手術が必要になります。
誤食の予防は飼い主様に動物周囲の管理をして頂くことが大切となり、小さなお子様のいるご家庭では特に配慮して頂く必要があります。万が一、ご自宅の動物が誤食をしてしまった場合には動物には何も食べさせずに動物病院にご連絡をいただきたいと思います。