認知症について 後編|豊橋市の動物病院「セピどうぶつ病院」

認知症について 後編|豊橋市の動物病院「セピどうぶつ病院」

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認知症について 後編

こんにちは☀️もう11月も後半、年末に向けて慌ただしい季節が近づいてきました🍂
前回、動物たち🐶🐱における認知機能不全(認知症)について、その定義や診断基準についてお話させていただきました。
今回は後編として、それではお家の子が認知機能不全になってしまったら…
その治療法についてお話をさせていただきたいと思います💡

まず、認知機能不全は徐々に進行していく疾患のため、治療の目標はある程度の認知力の改善と進行を緩やかにすることとなり、症状に合わせて以下のものを組み合わせて治療していきます。

⑴行動学的エンリッチメント(全項目推奨)
・規則的な運動、散歩、ストレッチ、マッサージなど
…筋肉を動かすことにより血行が改善し、脳における血液循環量の増加を促す
・散歩または連れ出しによる視覚・聴覚・嗅覚刺激および太陽光への十分な曝露
・新しいおもちゃ、考えさせるおもちゃを給与
・動物または人との社交的関わりの増加
・新しい動作のトレーニング
・日中の覚醒時間の確保と夜間睡眠前の運動
⑵食事・サプリメントなど
・認知機能不全犬用処方食(DHA、EPA、抗酸化剤を多く含む食事)
・不飽和脂肪酸(DHA、EPA製剤)
…神経細胞膜の保持・安定化、セロトニンの作用を増強し、認知力、記憶力、活動性の向上
・合成メラトニン
…睡眠〜覚醒サイクルの正常化
・αカゼピン
…GABA様作用による静穏作用の期待、不安反応の抑制
・抗酸化剤(フラボノイド、ビタミンC、L-カルニチンなど)
⑶薬剤

積極的に遊んだりお散歩にいったりすることで脳に刺激を与えてあげ、体を動かすことで脳への血流を増加させる、また日中の睡眠時間を少なくすることで、生活リズムを改善させ夜鳴きの軽減にもつながります🌛
また、ワンちゃん用の脳をケアするための成分の入ったフードやサプリメントなどもあるため、認知機能不全を予防したい飼い主さんはそういったフードなどを試してみてもいいかもしれません🍚

以上のようなケアをしていても、症状が進みお家での生活に支障が出てきてしまうような時は、お薬での治療も検討していきます。

認知機能不全は、積極的に治療を行っても徐々に症状が進行してしまうことがほとんどです。しかし、治療を行うことにより症状の進行を遅らせることができることはわかっています。
人間と同様に高齢になった動物にも御家族のサポートが大切になってきます。
すでに認知機能不全の症状が表れている動物に悩まれている飼い主さんも多いですが、一人で悩まずにまずは動物病院に一度ご相談ください🐾
大切な家族のためにできることを探し、動物と過ごす時間が少しでも快適なものになるようにお手伝いをさせて頂ければと思います🏠

《参考文献》犬と猫の治療ガイド2015 私はこうしている interzoo

土日も診療 豊橋市の動物病院 セピどうぶつ病院の五十嵐高でした🐕

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